第16回坂口記念フェスティバル、2日目のトレッキングガイドとして8:30〜14:00位まで案内させていただきました。長年登山で鍛えられた、年を感じさせない立派な姿勢と、軽やかな足取り、豊富な知識をお持ちの方々に、私の身と心はクラクラとなりました。
でも、皆さんのおい出を歓迎してか、山は美味しい桑の実を用意してくれてホッとしました。
クワの木を見上げながら、昔、口の中が紫色なるまで食べた桑の実に、幼少時代の生活を思い出しながら「あの時、よく我慢して頑張ったね」と褒めたたえながら、今日ある日を喜び合いました。美味しい桑の実を少々いただいた後は、「苦いキハダの実をどうぞ」ということで、昨年の黒い実を口に含んでみました。この木は昔、なかなか手に入らなかった胃薬の代わりの木でした。戦争にいく夫や息子のために、母は必死で山を歩き回り、取って戦地に持たせたキハダの木。やはり「良薬は口に苦がし」のとおり、いつまでも口に残りましたね。でもこのキハダで兵隊さんが助かったのだと思うと、大座法師池で人知れずポツン、ポツンと黙って立っている姿をみると、思わず「ありがとう」と言いたくなりますね。
道すがら、ノリウツギの花が今盛りと咲いていたり、花は終わってしまいましたが毒ツツジの異名を持つレンゲツツジの中に、「私の真っ白な肌も思い出して」といいたそうな白樺の木がたち並らんでいたり、豊かな夏の山をみせてくれました。また春に山菜として食べられたコシアブラ、黄色い汁を出すタケニグサ‥‥等々、人と同じように長い歴史を力強く生きぬいてきた、植物達のささやきを理解して頂けたらこの上なく嬉しく思います。
また、ご一緒くださった皆様にも、色々なお話をお聞きして、思い出深い一日をいただきました。
・アゼリアを出発してすぐ「赤詰草」が目に留まり、「赤詰草の漢字はどんな字でしょう」と質問したら すぐ答えて下さった中沢さん
・病気をした時、年齢より早い回復にお医者さまもびっくり、早期回復とお話し下さった大野さん
・薬関係の仕事に携わっていたので‥‥と、ウルシの丁寧な説明をして下さった方
・京都より、仲よし4人組の楽しい笑い‥‥
・にこやかな笑みをされながら、至らぬガイドを勇気づけて下さった中島さん
・いき届いた気配りをして下さったSLの中沢・市川さん‥・等々、いつまでも私の中で忘れられない方々になりそうです。登山と共に、人生を楽しく過ごされて来られた皆様の今日の日を喜び合い、たった一度のご縁であるにもかかわらず、ずっと前から一緒だったかのような楽しい、楽しい一日を過させていただいたのは、どうしたことか一期一会のご縁の不思議さを感じました。
来年も、おいしい空気を吸いに長野に来られることをお祈りし、私も皆様に負けまいと「ボケよボケよとんでいけ、身体よ身体、よく動けと」呪文を唱えながら生きていこうと思っています。
最後になりましたがこの会の企画運営をして下さった、矢沢事務局長はじめ、スタッフの方々、本当にありがとうございました。
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