第17回 根子岳 四阿山大会 レポート [1]

大会主宰

坂口 三郎

四日市山岳協会

西田 勝

総務部長

荻原 茂行

実行委員長

松田 美宏

愛媛県山岳連盟

西田 六助

SMF賑やかし隊

宮坂 浪子

大会顧問

中嶋 豊

愛媛県

西田 総子

子檀嶺岳主班長

宮下 慶子

三重県山岳連盟

大川 吉崇

根子岳主班長

堀内 宏道

来賓

上田市長

土屋 陽一

八ヶ岳トレイル

生駒 和夫

弘法山主班長

岡沢 隆

来賓

青木村長

北村 政夫

大分県山岳連盟

首藤 宏史

四阿山SP

吉原 健二

来賓

菅平観光協会長

松本 規男

埼玉県山岳連盟

長谷川 茂

四阿山1班SL

石川 祥子

東京都山岳連盟

澁澤 由紀子

十観山主班長

小池 まさみ

講演

山家神社宮司

押森 慎

茨城県山岳連盟

白石 忠男

会計主任

清水 静代

講演

やまぼうし代表

加々美 貴代

東京都山岳連盟

砂田 定夫

トレッキング班長

松嶋 きよこ

講師

やまぼうし学校

西牧 美二

山口県山岳連盟

武永 計介

十観山1班SL

久保 春恵

講師

やまぼうし学校

竹内 博

香川県山岳連盟

柴崎 光子

十観山2班SL

岡 寿江

京都亀山山岳会

湯浅 博

芸能部

神谷 ありこ

大会事務局長

矢沢 裕子


[レポート1]

・[レポート2]

・[レポート3]



令和元年

第17回登山フェスティバルを終えて


 大会主宰

日本山岳協会顧問(元会長)

坂口 三郎

 四阿山・根子岳の登山をメインとする信州・真田の里の山旅は、梅雨の最中ではありましたが、大した大雨にならず、スタッフの皆様の周到な準備と、適切な処置により、成功裡に無事終了することができました。これも偏に全国各地から参加された山仲間の皆様のご理解ある協力の賜と感謝している処であります。

 根子岳には、やるせない悲しい思い出があります。山頂附近で後輩の小野達一君を失ったのであります。彼は、若松尋常小学校・小倉中学(現小倉高校)の三年後輩です。

 昭和20年4月、海軍兵学校の予科生徒に採用され、海兵78期生徒になったのです。この大会に参加される中島道郎先生と同期になります。彼は中学時代、乙女のような美少年で兵学校を志願するとは夢にも思われませんでしたが、坂口さん達に続けと許り兵学校を志願した由でありました。戦後、東京大学を出て、都立大学の講師になっており、将来を嘱望される好青年になっておりました。昭和31年2月12日、友人とスキー登山をした折、天候が悪化し、初心者であった彼は遭難死したのであります。友人は生還しております。後に東大某教室で音楽葬をして彼の死を悼み、お別れしたのであります。今回の山行で根子岳に登り、彼を偲びたいと念じておりましたが、健康状態が悪く、スタートして間もなく下山しました。

 

 「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず 」根子岳の登山口附近にも、ウツボグサ、アヤメ、フウロウを見かけ、山頂には花の百名山に相応しい多く花が咲いていたのでしょうが、誠に不甲斐ない限りであります。

 老兵は消え去るのみ。

 会の隆盛と皆様のご健勝をお祈りします。

花は年々変わることなく咲く、人の境遇は年ごとに変化していく。
自然が変わらないのに、人の世ははかなく移りやすい 
 ことわざ辞典より

 


第17回坂口登山フェスティバル

根子岳・四阿山大会の御礼


大会実行委員長

長野県山岳連盟顧問

松田 美宏

 

 第17回坂口登山フェスティバルに参加くださりありがとうございました。今年でフェスティバルも17回になりますが、初回後2年空いたので、実に19年にわたって行ってきたことになります。各々様々な思い出がありますもののアッと言う間の出来事に感じられます。この大会への主宰の要望が、花の美しい季節と山域ということで、最盛期となれば梅雨明けになりますし、加えて100名の登山者となると泊まれる宿も限られるので、山の選定には苦労します。また小さな山小屋では2軒3軒の分宿でかつ貸切りはあたりまえとなります。

 今大会のテーマは「真田丸特集」と言うことで、日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)・真田幸村の所領であった、真田の里菅平、根子岳・四阿山となりました。翌日の宿泊は、真田隠し湯のある別所温泉、宿は天皇陛下お泊りの南條旅館。登山は真田家の歴史にまつわる山々となりました。

 まず、私の菅平といえば、その昔、6年間ほどシールをつけて、ゴルフ場から根子岳に登るのが慣例でした。そのうちヘリが山頂直下まで飛ぶようになり、乗ってみようかと話しているうちに墜落して、乗れずじまいでこの方面は無沙汰となっていました。

 また、上田盆地には良い里山がたくさんあり、この地区を探索していたある冬、雪の独鈷山を泳いで登山中、山頂北面直下に見事な氷瀑を見つけ、毎年アイスクライミングを楽しみました。今回は、その独鈷山の前山(まえやま)である前山寺(ぜんさんじ)の修験道・弘法山が時間的に手ごろなことから、今回の山と設定、会員たちはザイル訓練を兼ねて何度も登りました。

 フェス登山初日は、下山後この山へザイル工作に向い、みなさんに楽しんでいただけるよう万全を期したのですが、生憎の雨となり残念な結果となってしまいました。その分、座禅をして頂けたのが幸いかとも思います。安楽寺は国宝八角三重塔で有名ですが、県下最古の禅寺として座禅修行もよく知られています。短い時間でしたが座禅は如何でしたでしょうか。今回は真田丸特集として、真田十勇士の扮装に、スタッフの心意気が入っていると聞かされていましたが、当日は私も吃驚!! おもてなし武将隊、上田城見学、真田六文銭太鼓と、真田の里を十分に楽しんでいただけたものと思います。

 来年もまた、お元気で皆様とお会いできますことを念じて。

 


安全登山に努めましょう


元長野県警察山岳遭難救助隊長

 大会顧問

 中嶋 豊

 7月12日から14日までの間、令和初めての第17回坂口登山フェスティバル根子岳・四阿山大会が開催されました。今年も事務局の皆さんのご苦労とともに、遠路全国各地から参加頂いた多くの皆さんに敬意と感謝を申し上げます。さて今回も初めて参加されたかたがおられましたが、既に何度もお会いして顔見知りになった方も沢山おいででした。

 そうした繋がりを頼りに、昨年9月、坂口三郎主宰と宇都宮山岳会の糸井さん、鈴木さん、坂本さんらと那須岳に登山する機会を得ました。那須岳清掃登山イベントに合わせたものですが、1日目は糸井さんらに朝日岳、三本槍まで案内して頂き、その日は麓の旅館で宿泊、二日目は清掃登山の開会式に参加し坂口三郎日本山岳会顧問のあいさつの後、南月山、茶臼岳に登山しました。一人ではこれほど那須岳を満喫できなかったと思いますが、お陰様でとても良い思い出になりました。これからも日程が合えばできる限り各地に出向きたいと思いますので、どうか皆さんお誘いください。

 さて、今回の開催地上田市は、長野県の東部(東信)に位置し、かの有名な昌幸、幸村ら真田一族が活躍した地でありますが、県内でも有数の里山の宝庫でもあり、東の四阿山から西の美ヶ原まで、全国各地から登山者が訪れます。1日目は、日本百名山の四阿山と花の百名山(ウメバチソウ)の根子岳登山と菅平や上田城観光、二日目は、荒天で弘法山登山は中止になりましたが、子檀嶺岳、十観山と塩田平散策は実施されました。天候はイマイチでしたがそれぞれ登山や座禅などを楽しんで頂いたかと思います。

 ところで、今回私は長野県の遭難事故の実態などを紹介させて頂きました。私は長野県山岳遭難防止対策協会(遭対協)の山岳遭難防止アドバイザーに指名されていますのでその関係で話をさせて頂きました。ご承知のとおり長野県は全国一遭難事故が発生している県でして、不名誉なことに県警が統計を取り始めた昭和29年から発生件数一位の座は譲ったことがありません。山岳の数や登山者が多いからといえばそれまでですが、遭難事故防止には特段力を入れて、事故防止広報、啓発活動を進めています。これまでの年間最多件数は平成25年の300件、死者は昭和42年の84人、遭難者数は平成30年の330人となっています。昨年の遭難は、発生件数297件、死者不明57人、負傷146人、無事救出127人、遭難者慶330人です。山系別では、北アルプスでの発生が161件(54%)、原因別では転落・滑落・転倒が165件(55%)死者34人で最多。シーズン別では夏山が、117件(39%)で最多、年齢別では、60歳以上の遭難者が143人(43%)です。またパーティ別では単独が99件(33.3&%)で最多、死者不明数も25人となっています。このように登山は、多くの危険・リスクを伴うものです。多くの登山者は、これまで事故を起こしたことが無い、危険な目に遭ったことは無い、危険な山にはいかないなど、自分は遭難とは無縁だと思いがちですが、遭難事故の危険性を認識して、安全登山に努めてください。私は常々統計数字からとして次のように話しています。

○ 長野県の北アルプスに ○夏山登山する ○60歳以上の ○男性登山者が ○転落滑落転倒しなければ、遭難の半数近くは減少します。また、単独登山しなければ死者の半数は減少します。

 また、長野県では山登り10訓を定めて事故防止啓発を進めていますのでご紹介します。

@ 道知るべ、登山計画書は家族に託すメッセージ

A 登りたい山より登れる山 自分に合った山選び

B 体力・装備知識の総合力で 頂きめざす 登る前から体調管理

C 山のマナーは命のマナー あいさつ交わし情報交換

D 年齢考えひかえめ登山 過去の体力過去のもの

E ヘルメット 命を守る必需品 頭部の事故が命取り

F 山の天気は生死を分ける 天気予報 は遭難予報

G 山頂は通過点 下山道こそ 細心注意

H 登山はスポーツ 観光気分が 遭難まねく

I もしもに備える 山岳保険 

 以上ですが、長野県の遭難は県外登山者の割合が多くなっています。各連盟所属の山岳会等では、なお一層安全登山に配意していただき、長野県の山ではもちろん各地の山でも事故の無いようお願いしたいものです。

 最後に私事で恐縮ですが、現在長野県の名峰を百山選定して、イラストマップを作成しています。既に50山は「長野県の名峰百選」(上)として信濃毎日新聞社から出版していますが、下巻50山については現在作成中で本年中に出版予定です。お近くの書店を通して、またはアマゾンなどネットショップで購入可能ですので、既刊の「信州山歩き地図」同様宜しくお願いいたします。

 

第17回坂口登山フェスティバルあいさつ


来賓

上田市長

土屋 陽一

 令和がスタートした本年に、第17回目の坂口登山フェスティバル「根子岳・四阿山大会」が、当市において盛大に開催されますことに対し、心からお祝いを申し上げるとともに、市民を代表いたしまして歓迎申し上げます。

 このたび登山会場となる根子岳及び四阿山は、それぞれ花の百名山と日本百名山に選ばれており、たいへん人気の高い山域です。標高2,207mの根子岳は、花の百名山に選ばれていることから、四季折々に様々な花が顔を覗かせ、登山者を出迎えてくれます。

 フェスティバルが開催されるこの時期には、草原に降り注ぐ強い夏の光を跳ね返すように、様々な色合いをした花々を楽しむことができます。

 また、標高2,354mの四阿山は日本百名山の一つで、上田市で一番高い山であり、山頂は長野県と群馬県に位置しております。晴れた日は、北アルプスから八ヶ岳を望むことができ、遠くには富士山も望め、眺望は360度、裾野に広大な草原を広げる素晴らしい景色が堪能できます。

 今回の登山フェスティバルのテーマは「真田幸村特集」でありますが、この四阿山は、徳川氏を相手とした2度にわたる上田合戦で、天下に名を轟かせた真田氏が崇敬した山家神社の御神体であり、山頂には、奥宮が鎮座しております。真田氏に思いを馳せながら、登拝される方の姿も大勢見受けられます。

 さて、根子岳・四阿山双方の山は比較的登りやすく、四季を通じて市民の山として親しまれ、冬季においても山岳スキーやスノーシューなども楽しむことができ、近年の登山ブームと相まって、登山者数が増加傾向にあります。幸いにも、ここ数年は大きな事故は発生しておりませんが、今後においても関係機関との連携を密にしながら、登山道等の施設整備や、動植物等の保護、更には有事における救助隊機能の充実を図り、登山者の安心・安全に寄与してまいりたいと思います。

 結びに、本フェスティバルの開催にあたり、実行委員会をはじめとする関係各位の御尽力に心から敬意を表するとともに、ご参加いただきます皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げて、ご挨拶といたします。

 


第17回坂口登山 根子岳・四阿山大会 報告書に寄せて

ごあいさつ


来賓

長野県青木村長

北村 政夫

 

 たくさんの皆様方に青木村へお越しいただき誠にありがとうございました。全国から選ばれた山男と山ガールの皆さんによるしっかりとした組織に驚くと同時に、昔高校の山岳部員だった身として敬意を表するところです。

 頂上を極めていただいた「子檀嶺岳(こまゆみだけ)」【標高1,223.1m】は、日本全国難読山名マップ(東日本編)で10位に入っております。「子檀(こまゆみ)」は「駒斎み(こまいみ)」から転じた言葉で、「駒を斎(まつ)る」という意味です。「駒」は馬を指し牧場の守護神ということで、古来、麓の青木村一帯は牧場地帯として繁栄してきたのですが、牧場に育つ駒の息災を祈願し、独特な山容を誇っていた「子檀嶺岳」は、地元で信仰を集めてまいりました。また、「十観山(じっかんざん)」【標高1,284.5m】は、その名のとおり北アルプス、南アルプス、北信五岳、浅間山など360度の眺望を楽しむことができます。村にはもうひとつ、別所温泉からも登ることができる雨乞いの山として名高い「夫神岳(おかみだけ)」【標高 1,250.1m】があり、これら三つの山は「青木三山(あおきさんざん)」と称され、村歌や校歌にも謳われるシンボルとして親しまれております。

 青木村には「国宝大法寺三重塔」もあり、「三」という数字はラッキーナンバーです。防災機能を備えた「ふるさと公園」希望の丘からみるこの三山と、湯ノ丸方面の眺望は殊の外素晴らしいものです。

 大会終了後、主宰する坂口三郎さんからお礼のお葉書をいただき、恐縮いたしました。海軍兵学校同期の旧和田村(青木村近隣)の村長をされていた坂下昭一氏に関してのお話も伺いました。また、長野県山岳連盟理事長 荻原茂行さんには公務の関係で日々大変お世話になっております。近年には「山の日」や「信州山の日」も設定され、国民の山に対する関心も一層深まったのではないかと思います。開催にあたり、ご尽力いただきました関係各位に深い敬意と感謝を申し上げます。長野県山岳連盟事務局長 矢沢裕子さんの人柄と事務能力がこの会を盛り上げていると強く感じました。今後も会員皆様におかれましてはぜひご健勝にてご活躍いただき、青木三山の登山にお越しいただきたいと存じます。

 その際は、オリジナルブランド「タチアカネ蕎麦」をご賞味いただければ幸いです。

 このフェスティバルの益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

 


 

ごあいさつ


来賓

菅平高原観光協会 理事長

松本 規男

 この度は7月12日からの第17回坂口登山フェスティバル開催に際して菅平高原をご利用賜りあらためて御礼申し上げます。

 初日の歓迎会には上田市長と共に観光協会もご招待いただき楽しい時間を過ごさせていただきました。先ず驚かされました事は全国各地からお集まりいただきまた事、又 真田十勇士になぞられた趣向を凝らした余興など開催に向けご尽力賜りました事務局の皆様に敬意を表させていただきます。

 ここで菅平高原について少し述べさせていただきますと菅平高原は百名山の四阿山と花の百名山の根子岳の裾野に広がる高原であります。夏は108面のグランドを有し、登山・トレッキングはもとよりラグビー、サッカー、陸上など幅広いスポーツ合宿地として 又 冬はスキーリゾートして年間を通じスポーツ関係に携わらせていただいております。

 その様なご縁から私共が日ごろから感じている事は同じ宿舎で寝食を共にして文字通り同じ釜の飯を食う事により絆(きずな)を深めて行く事が一番大切であり菅平高原ではそこを応援して行きたいと考えています。

 まさに今回、坂口登山フェスティバルでは坂口先生を中心に幅広い年齢層の皆さんの絆の深さの一端を知り、清々しい気持ちで懇親会場を後にさせていただきました。

 最後に坂口登山フェスティバルの会員各位と会の益々の発展を祈念して御礼の挨拶とさせていただきます。有難うございました。

 


第17回坂口登山フェスティバルに際して

「御山と里をつなぐご縁」


講演会 講師

山家神社 五十四代宮司

押森 慎

 目まぐるしく変わる社会、それでも山の恵みは変わらずに、里々を潤し続けている…山に登ると気づかされることの一つです。

 私が四阿山での活動を通じて、子供たちに伝えたいことは、多くの存在の中に自分が存在していることへの気づき、自然と共生していることを実感する、お陰さまの心です。

 そんな中、第十七回となる坂口登山フェスティバルにお招きいただき、山に親しむ方々と貴重なご縁をいただきましたこと、感謝申し上げます。

 根子岳四阿山は、全国に名を馳せた真田氏が崇敬し、手厚く保護した霊山であります。古く山中には、白い衣を纏った行者の姿が多く見られ、数々のご利益を求めて多くの人が詣でていましたが、明治以降その昔の姿は衰退の一途を辿り、歴史・伝承が今に伝わらず埋もれつつあります。

 その一つが、後に記載する「四阿山名所」。昔の人が大切にしていた場所が親から子へ伝わらず、令和元年現在、未確認のものが多々ある現状です。

 この埋もれてしまった歴史をどう掘り起こすか?それには、山を愛する方々の経験の集約しか道はないと思い今回説明をさせていただきました。名所を探し、昔に想いを馳せて歩く登山も、新たな楽しみや発見があるかもしれません。四阿山の歴史を伝えていくため多くの方のご理解とご協力を願います。

 そして、たくさんの山に親しむ方々のお陰により毎年四阿山根子岳の祭事が続けられていることに、改めて御礼申し上げます。

 平成二十七年、平成三十年、四阿山頂上の社を、荷揚げボランティアを募り、合計2tを超える資材を、県内外の四百名近い人の協力のもと、木造に造り替えることができました。昔ながらに手間のかかる工法で行い、おおよそ二十年毎に建て替えをすることで、子供たちが蛇口から流れる一杯の水に、遠い御山のことを少しでも感じてもらえたらと願いを込めました。

 また今後の予定として、四阿山の中腹にも神社があり(中宮)、こちらも近いうちに造営したいと計画しております。その方法は、御神輿でみんなで交替しながら担ぎ上げる、というものです。多くの方の山を想う心を、お届けできるよう精進して参ります。

 御山のご縁で、こうして皆様と関わりを持てたことに感謝し、御山の恵みのもと、心身健康で豊かな日々をお過ごしいただき、また四阿山でお会いできることをお祈り致します。

 


第17回坂口登山フェスティバル

根子岳、四阿山大会にお招き頂いて


講演会 講師

NPOやまぼうし自然学校 代表理事

加々美 貴代

 この度は、このような歴史あるフェスティバルにお招き頂き、ありがとうございました。また天候が不純な中、幸いにも雨に遭うこと無く無事に各コースから戻られたこと、大変嬉しく思います。

 NPO法人やまぼうし自然学校は菅平高原で活動を始めて23年になります。「森とつながり、森とともに生きることのできる人を育てる」をミッションに、森をメインフィールドに森林環境教育を行っています。そのための指導者養成や森林整備、フィールド整備、ネットワーク作りなど活動は多岐にわたります。正直、地味な仕事の積み重ねです。初日の講演会で日ごろの活動を皆さまにご紹介できたこと、大変嬉しく、また共感を頂けたこと、今後の活動の励みになりました。

 翌日は当法人会員の西牧(根子岳)、竹内(根子四阿)とともに、私はハイキングコースの案内を担当しました。菅平の自慢の一つでもある「草原」、私が大好きなダボスの丘をご案内でき、また草原ならではの草花にご参加の皆さまにも登山とは異なる、のんびり散策を楽しんで頂きました。

 最後に、実行委員の皆さまのお陰で素晴らしい大会の成功、お喜び申し上げます。このような機会を頂いたこと、感謝申し上げます。

 


第17回 坂口フェスティバル

根子岳、四阿山大会


根子岳コース 講師

NPOやまぼうし自然学校

西牧 美二

 菅平やまぼうし自然学校 西牧 美二です。今回 花の百名山根子岳の講師を担当させていただきました。根子岳登山に参加された皆様は県外からの方々でいろんな山の話しや情報交換しながらの登山ができ私も久しぶりに楽しい登山になりました。

 下山ルートは昨年からの新ルートで長く大変でしたが、皆様 健脚な方々で問題なく下山する事ができました。2チームともサポートがしっかりしていたので、安心してご案内することが出来ました。四阿山、根子岳は四季を通じて私はとても大好きな山です春、夏はたくさんの花が咲き乱れ、秋の紅葉、冬は霧氷とバックカントリースキー 一年を通じてとても楽しい山です。

 長野県信州には、沢山の素敵な山々ありますので、これからもぜひ信州にお越しいただき登山にチャレンジしていただきたいと思います。

 講演会では、私たちも知らない山岳信仰のお話を聞かせていただきとても参考になりました。ありがとうございました。歓迎式典には、土屋上田市長様もご列席いただき盛大に行われレセプションも盛り上がりとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。

 最後になりますが、この坂口登山フェスティバルがこれからも継続して行かれます事を祈念致します。事務局の皆様ありがとうございました。

 


日本山岳会同伴記


四阿山コース 講師

NPOやまぼうし自然学校

竹内 博

 皆さんこんにちは、四阿山講師を担当した竹内です、今年ジャスト70才になります。長野県生まれのこの年代の皆さんが中学時代に北ア中央の燕岳登山を経験しており、中房温泉を懐中電灯のもと出発し、モルゲンロートに輝く"おとぎの国の主"槍ヶ岳を目にして病みつきになりました!。子育て、企業時代はちょっと減りましたが、定年を前にして55才を越えたころに仕事のやり過ぎでしょうか(?)胃がんを発症してしまい退職しました。しかしこのガン摘出手術により、体重が80kg⇒65kgに減り意外にも体力が増強した感があり、それ以降若いころ以上に山に魅入られました。

 四阿山は上信越高原国立公園の中央にあり、さらに北・南・中央アルプスにはほぼ等距離で、そのほとんどが約二時間で行けるという利便性を生かして楽しんいます!。現在関東圏の中学生を中心とした子供たちを根子岳・四阿山を案内しながら人生の後期を楽しませてもらっています!!!

 


第17回坂口登山フェスティバルに参加して

山、歴史、そしてふれあい


東京都山岳連盟 参与

日本山岳会

砂田 定夫

 集合地である「菅平スイスホテル」に着いて受付を済ませると、松田美宏顧問が開口一番、「やっと来てくれましたね!」と迎えてくれました。いつも事務局の矢沢裕子さんを通して懇切な案内をいただきながら、今回が初参加でした。長野の方々には例年東京でのイベントには来ていただいているので、不参加を心苦しく思っていました。

 主宰の坂口三郎さんが日山協の会長に就任されたとき、私は東京の本社から栃木県の事業所に赴任したころで、同時に都岳連の常務理事と指導教育委員長を一旦退任した時期でした。9年の地方勤務を終え、再び都岳連で前の任務に復帰し、同時に日山協の指導常任委員になったときには坂口さんは会長を退任されていたので、すれ違いでした。初めてお会いしたのは、全日本登山体育大会の東京大会のときだったと思います。今回坂口さんと同部屋の機会があり、山岳団体の現状や将来について親しくお話させていただき、お人柄に触れることができました。また、今回各地の多くの方々と触れ合うことができたのは得難い収穫でした。

 今回のメインである根子岳・四阿山登山は、どちらの山も以前登っているので、2日目は楽な菅平ダボスの丘散策コースを選びました。スキーでしかイメージのなかった菅平高原の夏、さわやかな風と豊かな花々に出会うことができ、満足でした。最も楽しみにしていたのは3日目の弘法山コースで、真言宗荒行場としての興味とともに、久しぶりに岩登りの感触を味わおうとヘルメットやハーネスなど一式用意して行ったのですが、雨天で中止となり残念でした。しかし、代わりに座禅体験と十観山の軽登山ができたので気が晴れた思いでした。長野の方々の臨機応変の決断に敬意を表します。

 今回私がひそかに期待していたのは、案内のサブタイトルに「日本一の兵 真田丸特集」とあるように、真田の里や上田城にまつわる真田氏の事蹟に触れることでした。少年時代にワクワクして読んだ真田幸村と十勇士の物語は強く記憶され、今でも十勇士の名前を諳んじているほどです。仮装のイベントでは、十勇士の一人、穴山小助役を仰せつかい、槍を持って結構気分が良かったです。真田おもてなし武将隊の華麗な演舞と、信州真田六文銭太鼓の迫力には鳥肌が立ちました。ガイドの案内で上田城跡を見学しながら、天然の要害を利用した城郭の造りに感心し、戦国の世に行われた合戦を偲ぶこともできました。

 今では知られていることですが、真田幸村は実名が信繁で、十勇士は創作の英雄たちです。上田城における徳川勢との2回にわたる攻防は父親の昌幸が主役で、信幸(のちに信之と改名)・信繁兄弟も参戦していますが、信繁が最も活躍するのはのちに行われた大坂冬の陣・夏の陣のときです。冬の陣で信繁が徳川勢を破った真田丸は大坂城の出城だったことが、最近明らかになっています。史実はともかく、上田市では「真田幸村と十勇士」が郷土に密着して生きていることを実感しました。

 最後に大会を成功裏に無事遂行された松田顧問はじめ、SMF実行委員会の方々のご努力と、心温まる気配りに感謝いたします。

 


第17回 坂口登山フェスティバルに参加して


山口県山岳・スポーツクライミング連盟 副理事長

ハイキングクラブ山歩 会長

武永 計介

 今年もフェスティバルに参加させていただき、ありがとうございました。

早いもので山口県からは12回目の参加となり、10回目の西村さんと大貫さんがその証に「天赦賞」を頂きました。百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)すとされ、最も幸運な賞です。例年は、山口県から遠路来ますと1山では済まないもので、1山登ってから参加していましたが、今回は真面目に講演会から参加しました。四阿山信仰の歴史・菅平の自然体験事業・長野県登山の現状と遭難対策について聞けました。 「目からうろこ」の話が多く、山口県で講演をお願いしたいと思いました。

前夜祭とお別れの会での、「真田幸村」を題材にしたパフォーマンスや若者の太鼓。街で出会った祭りに、上田市民の誇り「真田幸村」を感じることができました。

メインの登山は「四阿山コース」に参加しました。心配された天気も、終日降雨は無く、要所では雲が切れて眺望を楽しむことができました。登山口の菅平高原は牧歌的で信州らしい爽やかな空気を楽しみました。登山道では高山植物が想像以上に多く、足を止めて楽しむことができました。

四阿山登頂後、根子岳にも縦走。笹原とスキー場のような山容を楽しみました。下山後はご褒美に、菅平牧場アイスクリームも賞味しました。

2泊目の別所温泉では、宴会中にホテル前に神輿が到着。この祭りは「雨乞神事」らしく、霊験あらたかで残念ながら3日目は雨となりました。矢沢さんから弘法山コースを薦められ、ヘルメットや登攀用具を準備してきましたが、天候には勝てず中止となりました。近々に個人山行で訪れたいと思います。

その分、予定変更で訪れた国宝「安楽寺」では座禅を体験し、鎌倉時代からの歴史が感じられました。十観山にも登りハイキングを楽しめました。

いつもながら、前夜祭や宿での宴会・お別れ会も盛上り、温泉も楽しめ懇親を深めることが出来ました。

最後に坂口主宰を始め、坂口登山フェスティバル実行委員会の皆様に心からお礼申し上げます。来年もよろしくお願い致します。

 


坂口登山フェスティバルに参加して


香川県山岳連盟

鋸山の会

柴崎 光子

 毎回楽しみにしているSMF。今回は私の山仲間ひとり増えて参加させていただきありがとうございました。

 当日、受付会場に着くなり、松田さんに「弘法山になぜ申し込みしなかったの」と言われ、こんなにも参加者ひとりひとりを気にかけてくださっているんだと、スタッフの方々の熱い思いを感じました。そして、本当に「当日、変更も可能です、道具もお貸し出きます」とまで言われ、その気になってました。

 1日目は、百名山の四阿山・根子岳コース。2日目は子檀嶺岳コースを申し込んでいたのに。出発の準備の時、何故か勘違いしてハーネスやカラビナを持参していました。ヘルメットは忘れてました。いざ、当日は残念ながら雨で登れませんでした。スタッフの方の落ち込みを見て、いかに弘法山に気合を入れていたかが伝わってきました。もし出来るなら次回にお願いしたいです。

 いつものことながら歓迎会の出し物、上田市のお祭り、真田のお話など、登山以外の楽しみがありました。

 私事ですが、私の山仲間で百名山達成の方がいて、私にも「ぜひ、挑戦しろ」と応援してくれます。四阿山クリアに続いて、8月に焼岳と笠ヶ岳に登ってきました。今年は3座がんばりました。百名山以外にも良い山はたくさんあるし、何より、同じ山に登って感動を分かち合える仲間がいることが一番だと思っています。

 初めて参加の友人も「誘ってくれてありがとう」と感謝されました。次回もよろしくお願いします。

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